むしむしブログ

タグ:オオコブスジコガネ

昨日の続きです。昨日のブログの幼虫の写真の中に、大きくて黄白色の個体がいます。こういった奴らは数日の内にあまり動かなくなり、蛹になる準備を始めるのです。で、実際に蛹も見つかりました。(写真1.2,3)
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 日本各地の生息地で絶滅が危惧されている最希少種オオコブスジコガネを飼育する機会に恵まれ、しかもその幼虫と蛹を一度に見れるなんて、一年前までは夢にも思ってませんでした。長い日本の糞虫研究の歴史を遡っても、オオコブスジコガネの生きた幼虫や蛹を実際に見たことがあるという日本人は、そう多くはないと思います。まぁ「見たい!」と言う人もそう多くはないと思いますけどね。

今日はここまで。
続きは、ならまち糞虫館で!


 私は大変な糞虫好きですが、コレクターではないので、珍しい種類の標本はあまり持っていません。ダイコクコガネですら自分で採ったことがないので、超糞虫好きの九州大学の学生さんに借りて展示しているくらいです。なので、長野の師匠に送っていただくまでは、『日本産コガネムシ上科図説(食糞群)』で最希少種とされているオオコブスジコガネ(★★★★★)なんか、当然見たこともありませんでした。師匠に生息環境や飼い方のコツを伝授していただき、不思議な鳴き声に耳を傾けたりして、楽しく観察してました。でも、この種の出現期は5~9月と記載されており、南方系のコブスジコガネとの説もあって、季節に関係なく産卵し幼虫も育ちますが、冬になると成虫も幼虫も死んでしまうらしいのです。とすれば、ウチのも幼虫が育っているかも・・・。というか、鳥の羽根をよく食べてはいるし、じょりじょりと砂を掘っている音が聞こえたり、鳴き声が聞こえたりはするのですが、姿が見えない。砂の中にまで羽根を引きずり込んだ残骸も多数確認できており、もしかしたらという期待もありました。
 砂の状態は、表面はさらさら乾燥、1~2cm掘ると湿り気があり、握ると辛うじておにぎりが結べる感じ。狙い通りにコントロールできています。注意深く砂を除けていくと、5cmくらいの深さのところから、小さな幼虫がポツポツと10匹ほど出てきました。このプラケースにはオオコブスジコガネの成虫が6匹いるだけですから、その幼虫に間違いありません。(写真1枚目)
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かなり大きめの幼虫も出てきました。終令(3令)幼虫でしょう。成虫と比べても負けないくらい堂々たる大きさです。(写真2,3枚目)
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 オオコブスジコガネとコブナシコブスジコガネの幼虫を比べると、大きさ以外にも結構違いがあります。オオコブスジコガネの方が動きが早く、6本の脚を使ってスタスタとかなりのスピードで歩き回ります。そのせいでデジカメ写真はピンボケばかりです。外観の違いは、大顎が大きいこと。しかもけっこうケンカ好きで、ほかの幼虫にぶつかったりすると、大顎をガッ!と開いて威嚇します。でも、基本的にはこの大顎は骨や羽根の芯、干乾びた肉をかじるために大きく発達したものと思うのですが、どうでしょう?

今日はここまで。
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センチコガネやオオセンチコガネを掴むと、鳴くことはよく知られています。”鳴く”といっても、捕まって興奮した時に逃げようと暴れながら、腹をひくつかせて出すシュコシュコ音のことです。メスを巡ってオス同士が争う時にも威嚇しているのか同じ音を出します。私は生きたコブスジコガネを最近まで観察したことが無かったので知らなかったのですが、ヒメコブスジコガネやコブナシコブスジコガネも鳴くんですね。オオセンチコガネの出す音とは違いますが、おそらく同じように腹をひくつかせて出している音であることには違いはないでしょう。
 

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ところがオオコブスジコガネはコオロギかキリギリスみたいに鳴きます。クシュクシュクシュ・・・・みたいな(うーん、違うな)、小箱に小石を入れて小刻みに揺するみたいな不思議な音です。いつも物陰から聞こえるので鳴いている姿は見たことがありません。昨日は砂に掘った穴の中から聞こえてきました。大変小さな鳴き声ですし、仮に聞こえたとしても、まさかオオコブスジコガネとは誰も思わないでしょう。それにしても、いったい何のために鳴いているのでしょう?もし、鳴くのはオスだけで、メスを海岸の巣穴に呼び寄せるために鳴いているのであれば、なかなかロマンチックな虫ではありませんか!なんとか鳴いているところを見てみたいものです。

今日はここまで。
また明日!

 全国的に減少しており、絶滅が危惧されているオオコブスジコガネ。星★5つの最稀種で、我々のような普通の糞虫好きには見つけることすら困難なのですが、そんなオオコブスジコガネを「ちょっと採ってきます。」と言って、採集することができる人がいます。コンビニを自分の冷蔵庫のように使いこなす今どきの若者のように、その人は自然を勝手知ったる自分の飼育室のように使いこなしているのかもしれません。コブナシコブスジコガネに続いて、今回は茨城県(おそらく海岸沿い)でオオコブスジコガネを採集して、送ってくださいました。海岸の細かい砂地に生息しているようなので、小川の細かい川砂を篩にかけて準備していたのですが、海の無い奈良県民の私は海岸の細かい砂の”キメ細かさ”がわかっていませんでしたねー。川辺の砂と海岸の砂では直径で10倍は違いますね。海岸の砂は川砂に比べればまるでパウダーのようでした。
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 我が家に来てすでに10日以上が経過、オス・メス揃えて送ってくださったので、さっそく交尾らしき行動も見られました(結合現場は未確認)(写真1枚目)。オスメスの区別はわかり易くて、中脚の太腿に金色の剛毛がたくさん生えているのがオス(写真2枚目)、無いのがメス(写真3枚目)です。冬場の低温に弱いようなので、秋までに糞虫専用の飼育観察室を作って温度管理し、アフリカのフンコロガシなどと一緒に通年飼育する計画を進めています。お楽しみにー。

今日はここまで。
また明日!
 

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