むしむしブログ

タグ:オビモンマグソコガネ

 糞虫館に来る人にマグソコガネの仲間をいろいろ紹介すると、よくこんな小さい虫を見分けられますね、と驚かれることが多いです。虫めがねではよくわからなくても、捕まえた糞虫の身体についたウンコを落として実体顕微鏡(20~70倍)で見れば、種の同定はさほど難しくはありません。しかし、薄暗い森の中でウンコにまみれた米粒ほどのマグソコガネの仲間を次々に見分けていくというのは、なかなか高度なワザのような気もしていて、AI技術が進歩してもロボットなんかに負けない自信があります。まあ、そもそもAIを使って糞虫の種類を瞬時に判別する機械を開発しようなんてことを考える人はいないでしょうけど・・・。
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 野外で観察をする場合、季節や環境、糞の種類なども参考にしながら頭の中で糞虫の種類を絞り込んでいきます。標本にすればじっくりと見ることができるので、まず間違うことはないでしょう。でも、スマホの写真を見せられて「これは何と言う糞虫ですか?」という質問に答えるのは容易ではありません。それが黒い小さなマグソコガネの仲間だったりすると、もうお手上げです。模様がある種類でも、2次元の画像情報だけでは意外に間違えたりするものです。上の糞虫の写真、何と言う種類かわかりますか?オビモンマグソコガネは、奈良公園以外ではあまり見ることができない種類なので、ちょっと難しいかもしれません。ちなみに台紙の大きさは15mm☓7.5mmです。

今日はここまで。
答えは糞虫館で!

 昨日今日といいお天気が続き、奈良の開花宣言目前の今日、朝からガッツリ奈良公園で観察してまいりました。1週間ほど前のブログに、「なかなかオビモンマグソコガネにお目にかかれない」ようなことを書いたのですが、私の探し方が悪かったようです。すいません。
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 まずはオビモンマグソコガネAphodius okadai(写真1枚目)。いるところへ行けば、35年前とあまり変わりなく見つけられました。もちろん、ネグロマグソコガネAphodius pallidiligonisやチャグロマグソコガネAphodius isaburoi(写真2枚目)、ミゾムネマグソコガネAphodius mizoに比べるとかなり少ないことも変わりありません。しっとりとしたアセビの林の中では、この春初のニッコウコエンマコガネCaccobius nikkoensisも確認できました(2頭)。
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 次はマグソコガネAphodius rectus(写真3枚目)。いつのころからか奈良公園で普通に見られるようになっており、今年も出会えました。「冬に個体数を増す」のですが、この冬は私の活動が不活発だったので久しぶりでしたが、やはり開けた明るい芝地のシカ糞で観察されました。今回は冬の主役のネグロマグソコガネと一緒に見つかりました。
 道端のイヌ糞からは、セマダラマグソコガネAphodius nigrotessellatus。イヌ糞があまり好きではない私ではありますが、セマダラマグソコガネに会うためにまだ新しい大きなモノを頑張ってひっくり返すと、2頭確認できました。古いやや干乾びたようなイヌ糞からはこの春初のクロマルエンマコガネOnthophagus aterが7頭。うち2頭が交尾中でした。春ですねー。

 桜が咲くころの奈良公園は、冬と春の糞虫達が入り乱れてたくさんの種類を観察することができるので、本当に楽しいです。これからヒメコマグソコガネやクロツヤマグソコガネといった出現期の短い糞虫達も出てくるので、目が離せません。クロツブマグソコガネとの39年ぶりの再会も果たさねば・・・。
 ならまち糞虫館もようやく内装工事が終わり、現在は照明やディスプレイ、レイアウトといったことを専門家と打ち合わせしながら進めています。こっちもあれこれ悩むことが多いのですが、どっちも楽みながらテキトーにやってます。やっぱ、植木等(今なら高田純次か)さんもおっしゃってますが、テキトーが一番ですよね。


もっといろいろなことがあったんですが、今日はここまで。
再見!

 
 
 
 

 私は、奈良公園以外の糞虫の分布や発生時期、食性についてよくわかりません。しかし、いつもシカ糞だらけの奈良公園には昔よく通ったので、奈良公園でのみ通用する常識が自分にはあると思ってました。しかし、会社を退職しこの一年奈良公園に再び行くようになって痛感するのが、35年という歳月の流れです。つまり、以前の私は例えば「マグソコガネ(Aphodius rectus)やチビコエンマコガネ(Caccobius unicornis)は少ない」「ゴホンダイコクコガネ(Copris acutidens)やオビモンマグソコガネ(Aphodius okadai)は多い」という感覚だったのですが、今は自信がなく、実際そうではなくなっているようです。あと3年くらい奈良公園に通わないと、以前のように多い、少ない、珍しい、ということさえ言えないような気分です。ちなみに日本産コガネムシ上科図説(監修:コガネムシ研究会)によると、オビモンマグソコガネ(写真1枚目)は準稀種(★★★)で「分布は局所的で春日山が生息地として有名」とあります。
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 そんな気分の中、久しぶりにオビモンマグソコガネに出会いました。アセビの林の中、新鮮なシカ糞(写真2枚目)に1匹だけ来てました。この冬、ネグロマグソコガネ、チャグロマグソコガネは昔のようにいくらでもお会いできていたのですが、コイツとは会う機会がなく。いないわけないのになーと言ってる間に3月になってたので、内心「あれー?どーしたんだろー」と思い始めた矢先でした。本当によかったです。


今日はここまで。
再見!
 

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