むしむしブログ

タグ:クロツツマグソコガネ

 生き物は互いに生存競争をしていて、糞虫もその例外ではないという。特に奈良公園のように多くの種類の糞虫が生息する所では、競争を避けるために食べ物(シカ糞、イヌ糞、牛糞など)、生息場所(森、芝地、砂地など)、出現時期(春夏秋冬など)、活動時間帯(昼、夜など)が異なっていることがこれまでの観察で明らかにされている。なので、例えばイヌ糞はクサいからといってあまり観察しないでいると、ごく普通種であるセマダラマグソコガネにさえ出会うことは難しい。冬は寒いからといって観察に出かけないでいると、ネグロマグソコガネやチャグロマグソコガネを見ることはできない。
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 でもねー、糞虫同志は実際のところどう思っているんだろーね。春の奈良公園のシカ糞には、カドマルエンマコガネ、クロマルエンマコガネ、ナガスネエンマコガネ、クロツヤマグソコガネが数えきれないほど(写真1枚目)集まっています。デカいイヌ糞には、センチコガネとオオセンチコガネが20匹近く、さらにクロマルエンマコガネ、カドマルエンマコガネ、ナガスネエンマコガネなどがうじゃうじゃ見られました(写真2枚目)。朽木の樹皮の下には、クロツツマグソコガネとヒメツツマグソコガネがすぐ近くにいることも(写真3枚目)。こんな場面を見ていると、糞虫達はそれぞれ好き勝手に好きな時に好きな所で好きな物を食べているだけではないか?と思えてきます。そもそも地球上には何十万種も昆虫がいるのだから、お互いを気にして生きていたら住む場所も食べる物も無くなってしまんじゃないかなー。糞虫に一度聞いてみたいですね。

今日はここまで。
また明日!
 

 昨年5月に初めてナンキンハゼの朽木でクロツツマグソコガネ Saprosites japonicus を見つけてからというもの、奈良公園のあちこちの朽木の樹皮の下から季節を問わずその存在を確認していました。しかし、これまで数千個のシカ糞で糞虫を見てきた私は、一度もこのクロツツマグソコガネをシカ糞で見つけたことはありませんでした。「日本産コガネムシ上科図説(食糞群)」(コガネムシ研究会:監修)にも「樹皮下から見つかることが多く、落葉下からも得られている。イヌ糞・腐敗動物質・PTからも見つかり食性は幅広い。」と記されており、シカ糞で見つかった例はあまりないのかもしれません。
 それが今日、シカ糞に潜り込んでいるクロツツマグソコガネを確認したのです。いつものアセビ林で、それほど新しくない小ぶりの塊糞を割ると、ぷっくりとしたヌバタママグソコガネ Aphodius breviusculus 1頭と細身のマグソコガネの仲間らしき1頭が姿を現しました。細いのでハネカクシかとも思ったのですが、ピンセットでつまみだすと間違いなくマグソコガネの仲間、ルーペで見るまでもなくクロツツマグソコガネだとわかりました。
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 これだけだと、「ふーん、こんあこともあるんや。」で終わるのですが、夕方、やはりアセビ林のやや乾き気味の粒糞(エンマコガネ類の食痕あり)から、またまたクロツツマグソコガネを見つけたのです。こちらは厳密にいうと糞の中ではなく、喰い散らかされたシカ糞の下から出てきたので、シカ糞を食べていたとは断言できませんけど。
 でもですよ、今まで樹皮の下からしか見つけられなかったクロツツマグソコガネを2頭、樹皮の下以外のところで見つけたという事実は私にとっては歴史に残る大発見です。めっちゃ嬉しいです。この幸せを世界中の人にも分けてあげたい・・・。


今日はここまで。
再見!

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