むしむしブログ

タグ:コケシマグソコガネ

 三重県鈴鹿市の郊外を流れる鈴鹿川の河川敷で発見され、2006年に新種としてコガネムシ研究会の方々によって発表されたハバビロコケシマグソコガネ。前胸背版の横隆起がホソケシマグソコガネに似ており、私も以前間違えてしまいました!その後、関東や北陸からも報告されており、結構広く分布しているのではないかと考えられています。奈良は富雄川の河川敷からコケシマグソコガネとともに一度に多数見つかっており、私は側溝の砂や堆積物ごと持ち帰り飼育していました。飼育と言ってもいったい何を食べているのかわからず、時々霧吹きで水をやるだけです。冬になる前に堆積物に紛れ込んでいた10匹ほどのスナゴミムシダマシは全て死んでしまいました。冬になると、ケシマグソコガネは一体何匹いるのかもわからないまま、姿を見ることはなくなりました。
P5230449コケシマグソコガネ越冬
P5230481ハバビロコケシマグソコガネ越冬
P5230577ハバビロコケシマグソコガネ越冬クリーニング後

 一応室内に置き(暖房無し)たまに霧吹きをするだけの世話でしたが、先週、コケシマグソが1匹もぞもぞと姿を現しました(写真1枚目)。さらに、3日前にはプラケース越しに何か動くものが見え、よく見ると中にはケシマグソコガネらしきものの姿が。ピンセットでつまみだして顕微鏡で見ると、紛れもなくハバビロケシマグソコガネ(写真2、3枚目)。ホソケシマグソの特徴である上翅の間室の刺毛がありません。この写真はクリーニングして翅の間室の顆粒間にある垢をおとしてあるのでよくわかりますが、掘り出した直後でクリーニングする前のものが次の写真(写真4枚目)。これではちょっと見分けられません。
P5230553ハバビロコケシマグソコガネ越冬クリーニング前

 本種もコケシマグソコガネも、成虫で越冬するんですね。自然界では枯れた植物などの堆積物の下の川砂の中に潜って冬を越すに違いありません。うちのプラケースは堆積物2~3cm、その下に川砂2~3cmほどしか入れてませんが、室内なので問題なかったのでしょう。元気に活動を再開したのはいいのですが、一体エサは何なのか?乾いたところにいるイメージですが、雨が降ったら水浸しになるようなところに住んでいるし・・・。飼育環境も含めて、謎は深まるばかりです。

今日はここまで。
週末は糞虫館で会いましょう!



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 4/18に奈良公園でコケシマグソコガネ(Myrhessus samurai)をシカ糞の下から見つけました(シカ糞の下にいたがシカ糞を食べていたかどうかは不明)(写真1、2枚目)が、実はちょうど2年前の2017年5月4日に兵庫県姫路市の夢前川の河川敷で砂の中からコケシマグソコガネを1匹採集していました(写真3枚目)。夢前川は局地的に生息するミツコブエンマコガネ(写真4枚目)の生息地として有名ですが、コケシマグソコガネはその河川敷の砂を篩って採集したものです。
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 ケシマグソコガネの仲間は河川敷や海岸の砂地に生息するイメージが強かったので、ちょっと驚きましたが、ツイてる時ってこういうものなのでしょう。ヒメコブスジコガネクロツブマグソコガネ、コケシマグソコガネと素晴らしい出会いが続いていますので、この勢いでヒメコマグソコガネにもお会いしたいものです。

今日はここまで。
また明日!
  

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