むしむしブログ

タグ:コブナシコブスジコガネ

 昨日のコブナシコブスジコガネの話には続きがあります。
 生きている奴だけでなく死骸もきちんと見つけないと、もしかしたら逃げ出したのかも、という可能性が残ってしまいます。で、ちまちまと少しずつフレークを崩しながら成虫を探したのですが、その時に見つけたのがコレです(写真1、2枚目)。これは何でしょう?たまたま1つ見つけたので、注意して探したらもう一つ見つかりました(写真3,4枚目)。
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 ケースにはコバエ防止の目の細かいネットを被せており、餌の羽毛や鹿毛は冷凍保存のものを与えているので、外部からの虫の侵入は考えにくいです。2019年の夏頃、卵やふ化直後の幼虫を撮影しているのですが、それと比べても大きな違いは見られません。状況からすると、コブナシコブスジコガネの卵ということになりますが、ただ、この季節に卵を産みますかね?60匹もいて2個だけというのも少し引っ掛かります。とりあえず、埋め戻して様子を見ることにしましたが、暖かい日が続いたりエアコンを入れたりで、間違って産んだのかもしれませんね⁉ でも、室温が20度を超えるのは、土日の午後の数時間だけで、平日5~10℃くらいしかありません。コブナシコブスジコガネは比較的低温でも産卵するのでしょうか。そういえば最初に長野の糞虫好きの方から送られてきた時には、成虫と一緒にすでに成長した幼虫も何匹かいたので、自然界でも春のまだ肌寒い頃から産卵する可能性も否定できない気もします。今後に注目です。

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!

 いきなりの「その後」ですが、ならまち糞虫館では20195月から長野県在住の糞虫好きの方にいただいたコブナシコブスジコガネの飼育を続けています(写真1枚目)。送られてきた容器(タッパー)でそのまま飼育していただけなんですが、どんどん増えて65匹が新成虫になりました。過密状態になったので少し大きな容器(プラケース)に移しました(写真2枚目)。フレークが足らないのでカブトムシマットを足したのですが、それが良くなかったのか、風通しが良すぎるのか、昨年(2020)はケース越しに見る限りは繁殖している気配はありませんでした。餌となる鳥の羽やシカの毛は食痕があるので生きているはずなのですが、60匹以上いるのに減り方が少なく、一時期を除いてあまりその姿を見ることがなかったので心配してました。
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 昨日、ちょっと掘ってみると死骸が出てきたので、ちゃんと調べることにしました。容器は糞虫館の2階に置いてますが、平日は人がいないのでを下回ることもあります。たまにエアコンを入れるせいか上半分はやや乾燥気味でしたが、下半分は「強く握れば固まるけど指で押すと簡単に崩れる」程度の湿り気が残っていました(写真3枚目)。捜索の結果は、2019年春~夏に羽化した成虫65匹は、生存60匹、死骸2匹、行方不明3匹。ほとんどが生きていたので「良かったー!」と喜んだのもつかの間、「やはり繁殖してなかったか・・・」と残念に思う気持ちがムクムクと。殖えなかった原因は、ダニの発生を恐れて乾燥気味にしていたせいかもしれません。しかし、コブナシコブスジコガネがフクロウの巣から大量に見つかった話が本に載っていたので、湿気が多いのを好むとは考えにくいしなー・・・。
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 別のケースで飼育していた2018年秋に野外(神奈川県西端)で採集された元の成虫匹は、生存4匹(友人に提供分を除く)、死骸3匹(写真4枚目)。これらのコブナシコブスジコガネは、飼育下で2年半生きていることになります。どんどん増えた2019年が嘘のように、こちらも2020年は繁殖していません。飼育環境が繁殖に適していなかったことは間違いなさそうです。どうすればいいんだ・・・。

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!

 今飼育しているコブナシコブスジコガネも、もとは長野の糞虫好きの方から送っていただいたのです。送られてきたタッパーでそのまま飼育を続けているとどんどん増えて、結局60匹以上の新成虫が誕生しました。ビギナーズラックって、本当にあるんですね。幼虫やさなぎの貴重な写真も撮影できて本当にラッキーでハッピーでした。ただ、8月になると夏バテしたのかあまり活動しなくなり、秋になっても活動がイマイチのまま冬がきてしまったので心配してました。暖冬のせいか途中ウロウロすることはありましたが、先月頃からようやく活発に活動するようになってきました。今ではエサの羽毛やシカの毛、エビ、金魚などをバリバリ食べています(写真1枚目)。去年悩まされたダニの発生も気にならない程度なので、ビギナーズラック・アゲインといきたいところです。
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 それにしても、オオコブスジコガネにしてもコブナシコブスジコガネにしても、私のような飼育のシロウトがプラケースに入れて飼っても繁殖するのに、野外ではめったに見ることのできない超珍しい糞虫だなんて、不思議です。彼らが安心して暮らせる場所がないからかなーなどと考えてしまいます。それとも、この虫に誰も興味がないので、本当はたくさんいるけど人の目に留まらないだけなのでしょうか? いずれにしても残念なことです。

今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!
 

  先月1月は観測史上最も暖かい1月だったそうです。そのせいでしょうか、今迄は掘り出しても寝ぼけたような動きしかしなかったコブナシコブスジコガネが1匹、自力で地上に現れ、歩きまわっていました(写真1枚目)。12〜13℃という気温を虫がどう感じているのか知る由もありませんが、少しぎこちなさはあるものの元気で、30分くらいウロウロした後、写真やビデオ撮影に驚いたのか、またフレークの中に潜ってしまいました。
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この種がフクロウの巣から見つかる話は有名ですが、鳥は体温が高いですから、自然界のコブナシコブスジコガネは、冬眠などせずにフクロウの巣の中で 一年中ぬくぬくと暮らしているのかもしれません。もちろん、これは私の空想ですけどね。

きょうはここまで。
また明日!

明けましておめでとうございます。2020年元旦。今日から書かなければ、いつブログを再開できるのか。
・・・というわけで、元旦からまたブログ始めました。
 
 冬の寒さが厳しさを増すこの時期、”糞虫の聖地”である奈良公園と言えども、センチコガネやエンマコガネの類は見ることはできません。夏の終わり、ピカピカの姿で現れたルリセンチコガネの成虫も地中に潜り春まで出てきません。春から夏にかけて、ビギナーズラックでどんどん増えて楽しませてくれた糞虫館のコブナシコブスジコガネは、酷暑で夏バテしたのか活動が鈍り、秋のいい季節になってもあまり活発に活動をしないまま、冬になってしまいました。2019年の7/31時点では、前年の成虫が11匹、新成虫が64匹いましたが、いったい今何匹生存しているのか?ホントに生きているのか?確かめたいのですが、この寒い時期に掘り返すことは、虫にとっては百害あって一利なし。3月まではそっとしておくしかないと思ってました。
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 今日、1匹が地表で、もう一匹が半分埋まった状態で死んでいるのを見つけました。よく見るともう一匹。珍しい種類なのでせめて手足が残っていれば標本にしようと、軽く霧を吹いてから3匹をつまみ出して、実体顕微鏡の下に置きました。1匹は腹の部分だけでしたが、後の2匹は関節もやわらかく、符節も残っていていい状態です。コイツらは、成虫でいただいた個体なので、1年以上は成虫で生きていたことになりますが、この冬で全滅するようであれば、コブナシコブスジコガネは2年を超えて生き続けることは稀であると考えちゃいますね。
 ぶつぶつ独り言を言いながら、展足しようと再び顕微鏡を覗くと、死骸の腹だけしか視野にはありません。なんと、2匹とも生きていて、ゆっくりですが這って移動してました。悶えるようなゆっくりとした動きは、新成虫が夏から翌春までずーっと眠り続けるクロツヤマグソコガネを掘り出した時と同じ動きです。もしかしたら、この2匹は寒さが緩んだ日に地上に這い出てきたものの、また寒くなったので動かなくなったのかもしれません。2018年産の残りは計算上はあと9匹。何とか春を迎えてもらって、元気に鳥の羽根をバリバリ喰う姿をまた見せてほしいものです。

今日はここまで。
また明日!
 

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