2020年10月、富雄川(奈良県大和郡山市)でコケシマグソコガネとともにハバビロコケシマグソコガネを多数観察できたのですが、先日9/19に同じ場所に友人と2人で行ってきました。周囲の様子は3年前とほとんど変わりがなく、3年前にハバビロコケシマグソコガネ等をたくさん見つけた水の無い側溝に生えた草の根周辺を集中的に探しました。2人で2時間篩い続け、コケシマグソ5匹(写真1枚目)、ハバビロコケシマグソ1匹(写真2枚目)。数は少なかったけれど、今回も2020年と同じ2種類のケシマグソコガネを見つけることができました。
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 午後からは場所を木津川(京都府木津川市)に移してケシマグソコガネを探しました。朝からずーっと砂ばかり見ているので、目がチカチカして頭も朦朧としてきた中で探し続け、辛うじて2匹をゲット。家で実体顕微鏡で観察すると、ホソケシマグソコガネ(写真3枚目)とコケシマグソコガネ(写真4枚目)でした。
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 『日本産コガネムシ上科図説』(監修:コガネムシ研究会)によると、コケシマグソコガネは星3つ☆☆☆でどこにでもいるわけではないようですが、「芝生の移植で分布を広げるためどこで採れても不思議ではない」 と書かれています。実際、私も夢前川(兵庫県姫路市)や若草山(奈良市)、富雄川(奈良県大和郡山市)、木津川(京都府木津川市)など様々な場所で見つけています。場所的には芝生の移植とは関係なさそうですが、いずれも細かい少し乾燥気味の砂地に生える草の根際がお好みのようです。
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P5230577-1ハバビロコケシマグソコガネ越冬クリーニング後

 ホソケシマグソコガネとハバビロコケシマグソコガネは、前胸背の模様が似ているので混同しているケースが少なくないようです(私もその一人でした)。ちなみに2006年に新種として発表されたハバビロコケシマグソコガネは『日本産コガネムシ上科図説に写真が掲載されていませんが、ホソケシマグソコガネの特徴である「上翅の間室に列生する刺毛」(ホソケシマグソ:写真5枚目)が無い(ハバビロコケシマグソのクリーニング後:写真6枚目)ので見分けることができます。ホソケシマグソコガネの標本をお持ちの方は顕微鏡を使ってぜひ確かめてみてください。

今日はここまで。
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