むしむしブログ

タグ:マメダルマコガネ

 NHKラジオ第一の朝は「マイあさ!」で始まりますが、奈良のレポーターである中田さんが11月9日(月)の朝5時17分から30分頃まで、奈良公園の糞虫をしっかり紹介してくださいました。中田さんは、25年にわたってNHKラジオのレポーターとして奈良の歴史や史跡を中心に話題を提供してきたとのことでしたが、ベテランらしくルリセンチコガネのほかマグソコガネなどのその他の糞虫の存在や糞虫たちのその活躍ぶりについても分かりやすく上手にお話しされたので、嬉しくなってしまいました。
 あまりに早朝なので本番を直接聞くのは早々に諦めましたが、らじるらじるで聞かせていただきました。私がネタにしているマメダルマコガネの話を中田さんも面白く語っていたのが印象的でした。ぜひ一度聞いてみてください。
「らじるらじる」で1週間(11月16日(月)8時28分まで)、聞くことができます。
 
今日はここまで。
週末に糞虫館で会いましょう!

 5月に出版されたフンコロガシの絵本『フンころがさず』は好評を博しているようですが、先月採集した日本のフンコロガシ「マメダルマコガネ」は本当に糞玉を作って逆立ちして後ろ足で押して転がすのでしょうか?初採集だったので綺麗な標本を作りたい気持ちもありましたが、この目で全長2㎜という極小のフンコロガシが糞玉を作り、転がす場面をこの目で見たいという誘惑が勝り、飼育を始めました(写真1枚目)。
P7270070-1


 過去40年以上に渡り一度もシカ糞でコイツを見つけられなかったことから、本当にシカ糞を食べるという確信はないものの、シカ糞を入れました。シカ糞の一部に潜り込んだ形跡は見られましたが、うろうろと容器内を動き回る姿が目についたので、どうも落ち着かない(=飼育環境がイマイチ)様子でした。3日もするとカビの菌糸が伸びはじめ、マメダルマコガネが歩きにくそうにしていました(写真2枚目)。
P7270048-1
 
 そして、飼育開始のわずか10日後、容器のふたにできた結露で溺れて死んでいました。遺体を回収し、何とか標本を作製できたのは不幸中の幸いでした。触角まで引き出せたのはまさに奇跡です(写真3枚目)。わずか2㎜の虫ですから。
P8040013-1

 ブログのコメントに、鳥(セキセイインコ)の糞を使って飼育すると、いくつも糞玉を作ったという情報が寄せられているので、次回は鳥の糞を試してみたいと思います。ただ、次にマメダルマコガネに出会えるのは一体いつになることやら・・・。

今日はここまで。
週末、糞虫館で会いましょう!

 日本人はファーブル昆虫記を読んだ方が多いせいか「糞虫」=「フンコロガシ」、つまり糞を丸めて転がす虫と思っている方が多いようです。なので、私が「日本の糞虫の99%は糞を丸めて転がすことはしません」と説明すると、「えーっ!!」と驚かれると同時に、残り1%の糞玉を作って転がす糞虫に関心を示されます。で、全長2mmほどのマメダルマコガネというチビコエンマコガネよりまだ小さい糞虫が森の中で密かに糞の玉を転がしている、とお話しています。でもねー、私は今まで生きたマメダルマコガネを見たことがなかったのです。本州・四国・九州に生息し、それほど珍しいというわけでもないようなのですが・・・。
P7240302-1
P7240277-1

 シカ糞のそばにゴホンダイコクコガネの死骸があり、「あー、死骸や。残念。」とピンセットでつまみあげると、その下に小さな甲虫が隠れていました。丸っこくて光沢があったその甲虫はあまりに小さかった(写真1,2枚目 下部の球は直径1㎜)ので、糞虫ではないだろうなと思いながらもマメダルマコガネかもねと心の片隅で思いながら、ピンセットでつまんで手に載せるとすぐに死んだふりを止めて動き出しました。「ん!?これって本物のマメダルマコガネちゃう?」 今日は、鳥の羽毛や動物の骨にも詳しい若手の糞虫好き山田氏と一緒に奈良公園に観察に行ったのですが、彼は学校の裏山のトラップにかかったマメダルマコガネを見たことがあり、たぶん間違いないとのこと。このほかにも目と勘のいい彼のおかげで、ルリセンチコガネが40匹以上集まっているところやセンチコガネやコブマルエンマコガネが多数集まっている大きなキノコ、ゴホンダイコクコガネ、ノコギリカミキリの交尾、シカの白骨死体など、様々な場面を目にすることができましたが、マメダルマコガネは最高の収穫でした。(写真3枚目)
P7240320-1

 マメダルマコガネは半世紀以上前から「糞玉を転がす日本のフンコロガシ」と言われていましたが、恥ずかしながら私は40年間その姿を奈良公園で見たことがなく、玉を転がす姿は夢のまた夢でした。今、元気に動き回るマメダルマコガネを目の前にして思うことは、コイツが糞玉を作って転がす姿を見たい。ただそれだけです。
 今晩絶食させて、明日の午後、ならまち糞虫館の特設ステージで糞を与える実験を行ないます。うまくいけばニッポンの糞虫がフンをコロガシてる姿を皆さんと一緒に見ることができるかもしれません。

今日はここまで。
今週末、糞虫館で会いましょう!

このページのトップヘ