むしむしブログ

タグ:ルリセンチ

 今年は1月20日が大寒で、この時期が一年で最も寒い時期のようです。昨日はセマダラマグソコガネに会いに、イヌ糞の多いコースを歩きました。ここは住宅地からほど近い自然遊歩道へと続く道で、ちょうど公衆トイレもあるので犬の散歩には最適。狙い通り、大きなイヌ糞が見つかりました。少し古くてやや固めですがまだ十分にクサい。普段はシカ糞ばかりを扱っているので、いまだにイヌ糞のニオイは好きになれませんねー。ただ、この時期セマダラマグソコガネに会うにはイヌ糞をホジるしかないので早速作業に取り掛かかると、あっさりセマダラマグソコガネが5頭、ネグロマグソコガネも3頭、チャグロマグソコガネ1頭が出てきました。ここまでは予定通りなのですが、イヌ糞の下に穴があり、ピンセットで数センチほじくったところから、なんとピカピカのセンチコガネ(♂)が出てきたのです!(写真1,2枚目) 
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 奈良市内では今年はまだ雪も降っておらず穏やかな冬ですが、最低気温は連日氷点下ですし、最高気温もせいぜい10℃です。さすがに掘り出されたセンチコガネは縮こまって動きません。しかし冬を越すにはあまりに浅すぎるところですし、糞の直下の穴ですから活動していたと考える方が自然です。道路脇の南向きの緩斜面なので、暖かいのかもしれません。ちなみに、持ち帰って部屋に置いておくと、普通に動き回るようになりました。
 糞虫に関わった40年間で12月の上旬に採集した記憶はありますが、一番寒い大寒の頃に採集できるとは思ってもみませんでした。しかも地下数センチのところです。もしかしたら、センチコガネ達は意外に浅いところで冬越ししているのかもしれません。いやいや、もしかしたら、いま目の前でフィルムケースの中を元気に動き回っているコイツは、たまたま寒さに強い奴だったのかもしれません。この冬、マジでセンチコガネを探してみようかなー。

今日はここまで。
また明日。

 先週、マグソコガネの仲間の幼虫を見つけたので家に持ち帰りました。で、お皿に移してルーペで糞を細かくほぐしながら幼虫を見ていると、なんと卵の殻が見つかりました!ほぼ球形と思われる卵の殻を丸く切って、パカッとふたを開ける感じで孵化したようです(写真1,2枚目)。
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 マグソコガネの幼虫が孵化する瞬間を見たわけではありませんが、幼虫の体内にはすでに食べた糞が茶色く溜まっているので、孵化して数日経過していると考えれば、卵の殻と幼虫の大きさも「こんなもんやろー」と言えるのではないでしょうか(写真3,4枚目)。糞の中からはハエの幼虫らしきものも10匹以上出てきましたが、ハエの卵とは大きさも形も全く違います。
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 幼虫は、昨年クロツヤマグソコガネを繁殖させたときに見たものと頭の形状やお尻の割れ具合等が似ており、マグソコガネの仲間であることは間違いないと思います(写真5,6枚目)。
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 この時期奈良公園のシカ糞で主に活動しているのは、ネグロマグソコガネ、チャグロマグソコガネ、ミゾムネマグソコガネ、(オビモンマグソコガネもいるけど少ない)ですが、マグソコガネの仲間でもこれら3種はやや小型なので、卵が大き過ぎるような気がしないでもありません。まあ、オオセンチコガネの卵は4mm前後もあるそうですから、ありえない大きさではありません。やや大きいマグソコガネ(Aphodius rectus)ということも考えられます。ちなみに、比較のために置いている金属は昆虫針(2号)です。また、幼虫は大きさの比較のために卵の殻の近くに移動させて撮影しています。
 何とかこの幼虫たちを無事に成虫まで育てたいものです。並行してネグロマグソコガネ(成虫)の飼育を開始していますので、こちらが産んだ卵を見つけることができれば、謎は解けるかもしれません。

今日はここまで。
また明日!
  

 年末から年始にかけて行ってきたマレーシアで幸運にも4種類の糞虫を捕えることができ、本日それらの標本が全て完成いたしました。エンマコガネの仲間3種はすでに紹介いたしましたが、最小のチビコエンマコガネ(♀)のような個体は、今回初公開です。実は1996年にカンボジアで採集した丸い小さな糞虫を20年以上もの間、チビコエンマコガネかその近縁種と思っていたのが、ほんとうはエンマコガネの仲間だったという大失敗をしているので、今回は慎重に。採集は1個体のみで、全長は約3mm(台紙の幅が7.5mm)、小さくて丸くて黒色で光沢は鈍い。前脛節の先端が直角になっているので、コエンマコガネ属(Caccobius属)と思われます。(写真1,2枚目)
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 どうですか?原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)(保育社 昭和60年)には、「生息地は本州、九州、朝鮮半島、中国、台湾、インドシナ半島、ビルマ、インド」とあります。チビコエンマコガネ(♀)ということでよさそうです。ですが念のため、奈良公園で採集したチビコエンマコガネ(♀)を並べてみましょう。私の目と同様にややピンボケですが、頭の先端の切れ込みも瓜二つで、全く区別がつきません。(写真3枚目)
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 念には念を入れて、ピントとしっかり合わせて撮ってみましょう。下の写真4枚目は、うちのチビコエンマコガネの最小クラスの個体、5枚目はほぼ同じ大きさの個体を、向かって右側に並べて、フラッシュをたいて撮りました。
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うっそー!チビコエンマコガネって、メチャクチャ毛が生えてるー!少し気持ち悪いです。小さいし、素早いし、国内ではまず見間違うことが無いので、拡大してゆっくり観察したことがなかったのですが、こんなんなんですねー。マレーシアの個体とは全然似てません。ということで、今回もまたチビコエンマコガネではないということで、一件落着。でも、毛が抜けたらかなり似てるかも。

 1995年7月に中国の内モンゴル自治区包頭(パオトウ)で採集した”チビコエンマコガネ”も再度確認した方がよさそうですね。(というか、すでに間違いであることに気付いてしまいました。申し訳ありません。)

きりが無いので、今日はこのへんで。
また明日!

 私は、ファーブルといえば「昆虫記」しか知らなかったのですが、糞虫館のトータルコーディネートを請け負ってくれたデザイナーさんを通して、ある方からこんなお宝本を寄贈していただきました。(写真1枚目)
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 「本能の秘密」ファブル科学知識全集(12)は、右から左へ読ませるところなどかなり年代を感じさせます(写真2枚目)が、発行されたのは第二次世界大戦(1939~1945年)が始まる9年程前の昭和5年(1930年)6月。第一次世界大戦が勃発(1914年7月)した翌年にファーブルさんは亡くなっていますが、複雑な国際情勢の中、当時としては欧州の貴重で先進的な研究観察資料だったのかもしれません。〔非売品〕となっており、一部の人しか手にすることはできなかったようです。(写真3枚目)
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 裏を見ると、発行者の住所は東京市神田区、印刷者の名前が桃太郎で住所は東京府戸塚町。発行所の電話番号は2175か2176で4桁。さすがに90年近くたつと全く変わっています。では、中身はどうでしょう? (つづく)

今日はここまで。
また明日!

1/8のブログに頂いた「春日瑠璃」様のコメントの中に「フンコバエ」というのが出てきました。私は初めて聞いた名前でしたが、ネットで調べるとなんか見たことがあるような姿・形。下の写真は昨年5月に撮影したのですが、フンコバエでしょうかね(写真1枚目)。コバエというと、カブトムシを飼育していると湧いてくる奴を思い浮かべるんですが、それとは違うようですねー。ハエもなかなか奥深いもののようです。
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下の写真もハエとセットですが、コバエと呼ぶにはちょっと大きすぎる気がします(写真2枚目)。
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ところで、写真を見てて「フンコバエ」より「ウンコバエ」の文字がよぎったのは、私だけだろうか?どうでもいいことですが・・・


今日はここまで。
また明日。

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