ならまち糞虫館には子供連れの家族もよく来館されるので、子供向けの図鑑や昆虫絵本を自由に見られるように置いてあります。これまでも『フンころがさず』(KADOKAWA)とか『ふんころがし と いしころ ころころころころうみへいく』(クレヨンハウス)『月間たくさんのふしぎ うんこ虫を追え』(福音館書店)などをご紹介しましたが、また1冊おもしろい本が加わりました。『このあな なんじゃ②』(仮説社)です。
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 子供の頃、田んぼの畔に穴が開いていると、ザリガニがいるかな?カエルかな?ヘビだったら怖いな、とドキドキしながら小さな手を突っ込んでました。石をのけたときに穴があるとどんな虫が隠れているのかワクワクして掘り返してました。今は糞塊の下の穴をみてセンチコガネかな?ゴホンダイコクかも⁉なんてことを相変わらずやってます。「この穴、なんだろー?」と気になるのは、いくつになっても変わりませんね。
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 この本で頑張ってるなーと感心したのは、穴の中を見せるときに次のページをめくるのではなく、コスト高になるのを顧みず、そのページのまま折り込んだページを下にめくるようにしたところ。見つけた穴をその場で掘り返す感じで穴の中を見れるのが快感!そしてその穴にいる虫(とは限らない)のチョイスが絶妙です。ホントはここで紹介したいのですが、めくったときの楽しさが半減するといけないのでガマンします。本屋さんで15cm四方の小さなこの本を見つけたら、ぜひ手にしてほしいと思います。ページの折り込みをめくっていくとあなたは何度か「おーっ!」という声を上げること間違いなし!ちなみに近日中に『このあな なんじゃ③』が出るらしいです。
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 この絵本は、国立環境研究所 生物多様性領域 生態リスク評価・対策研究室の研究員(博士)の方が「身近な場所で暮らす生き物たちに目を向け、その生き物のすみかを残していくにはどうしたらいいかを考える」ことを願って書かれたものです。この絵本を手にした大人も、ページをめくる子供も、きっと自然にそういったことを考えるようになると思います。傑作です。

今日はここまで。
週末は糞虫館で会いましょう!
『たくましくて美しい糞虫図鑑』(創元社)、全国の書店で好評発売中!