むしむしブログ

タグ:甲虫

 忙しくしていたので放置していたヒメツツマグソコガネ(Saprosites narae)(2017年6月10日採集)の標本作成にようやく取り掛かりました。私の展足やり方は、両手に針をもって、ハムシでも小さなゾウムシでもなんでもチョチョイのチョイと整えるだけで展足しちゃいます。チビコエンマコガネの3mmに満たないような小型個体でも、全てきちんと触角引っ張り出して標本にします(写真1枚目)。これまでさすがにしんどいなーと感じたのは、ネグロマグソコガネ(Aphodius pallidiligonis)やミゾムネマグソコガネ(Aphodius mizo)の小型個体くらいでしょうか。生乾きの時に0号針の先でクイッと触角をほじり出す技は、まさにスゴ技。時々自分の手を「神の手」と思うことさえあります。
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 しかし、先日、初めて採集したクロツツマグソコガネ(Saprosites japonicus)の触角を伸ばすのには苦戦しました。1頭のみの採集だったので緊張したからだろうと思っていたのですが、今回のヒメツツマグソコガネはさらなる難敵でした。より小型でしかも細いせいもあるのですが、触角が短いのか収める場所が深いのか理由はわかりませんが、いくら神の手でほじっても全然出てきません。壊してしまうといけないので、結局触角を伸ばすのはあきらめました(写真2枚目 左:ヒメツツマグソコガネ、中:クロツツマグソコガネ、右:オビマグソコガネ)。クロツツマグソコガネ属(Saprosites)は朽木の中に住んでいるので、オビマグソコガネ(Aphodius uniplagiatus)など他のマグソコガネの仲間が属するマグソコガネ属(Aphodius)と触角やその収納場所の造りが違っているのかもしれません。誰かご存じであれば教えてくださいませ。

 私はfacebookで「2MMクラブ」の方々と友達なんですが、この人たちは基本的に2ミリに満たないような小さな虫を専門に紹介し合って楽しんでいます。驚くべきことにそんな小さな虫が綺麗に展足され、写真のピントもバッチリなんですよねー。凄いですよほんと。「スゴ技」を超えた「神技」と呼ばせていただきマス。


今日はここまで。
再見!
 

気を持たせるようなタイトルをつけて申し訳ありません。結果から言うと「不採択」。

いやー、これはショックでした。キビシイ。
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んー、なぜだ!っていう感じ。先月空き家活用補助金400万円の申請を見送ったのは、空き家を借りる段取りをできなかったので論外ですが、今回のは計画をきっちり数字に落とし込んで一応の完成形として提出していただけに「なぜだ!」と叫んでしまいました。

 「たら・れば」の話をしても仕方ありませんが、もし両方の補助金が採択されていたら、なんと計600万円(!)。フェーズ1(糞虫展示室&セミナールーム)を完成させるのに少なくとも約1,500万円はかかるので、4割がカバーできた計算になります。
 まあ、いつまでも嘆いていても仕方ありません。ビジネスモデルや収支計画、説明文の表現、写真の選択などあらゆる角度からプランを見直したいと思います。秋になると最大のイベント「ビジコン奈良2018」の募集が今年もあると思いますので、グランプリを目指し気を取り直してガンバリマス。


今日はここまで。
再見!


 「奈良の糞虫・世界の糞虫」展では、とりあえず糞虫に馴染みのない方に興味を持ってもらうことをテーマに据えていました。この種(Oxysternon festivum)は、大きさといい色彩といい申し分なく、私の狙い通り「糞虫はきれい」というイメージを見る人に植え付けてくれてました。人気があるので、どこかでご覧になられた方も多いと思います。
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 写真1枚目にあるように緑系(Oxysternon festivum viridanum)と赤系(Oxysternon festivum festivum)をよく見かけますが、そのほかカリブ海のトリニダード島には黒系の固有種(Oxysternon festivum nigerrimum)もいるようです。いずれもオスには頭部と前胸部に立派なツノがありますがメスにはありません(写真2枚目)。なお、メスの前胸部の黒い模様はみな同じようではありますが実は微妙に異なります。奈良公園のルリセンチコガネの瑠璃色の光沢が春の個体では擦れて艶がなく剥げた感じになるように、このOxysternon festivumの綺麗な色も擦れて剥げて黒くなるのでしょうか?私の所有する外国の図鑑には何か書いてあるのかも知れませんが、残念ながらまだ英語が読み解けていないのでよくわかりません。今後の課題ということで。


今日はここまで。
再見。

 昨日閉幕した「奈良の糞虫・世界の糞虫」展のアンケートの集計結果がまとまりました。アンケートは積極的に記入の働きかけをしなかったので、基本的に記入してくれる方は比較的熱心に見てくれた方や昆虫好きの方であると推測されます。ということはわかっているつもりですが、いやー、うれしい結果が出ています。
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 この展示会を「①面白い」と「③きれい!」と感じた人がともに82%。逆に「⑤つまらない」~「⑨きたない」といった否定的な回答は皆無でした。(複数回答)
 この展示会でよかった点については、全員が「④実物(標本)がある」を、半数以上の方が「①写真が多い」を選んでいました。(複数回答)
 一番気になる「ならまち糞虫館」については、「①つくるべき」が55%、「②あってもいい」が45%、「⑤(オープンしたら)行く」73%、「⑥無料なら行く」は18%でした。(複数回答)

 まあ、全員にアンケートを記入してもらえば、また違う結果になる可能性は否定しませんが、私は皆さんに喜んでもらえてよかった、糞虫を面白いと感じてもらえてよかった、と満足しています。ちなみに4日間の来場者数は延べ約300名、アンケートの回収数は11通でした。


今日はここまで。
再見!



 

 奈良の生き物好き、自然愛好家なら知らない人はいない谷幸三氏(写真1枚目)。高校で長く教鞭をとられたあと大学で講師を務め、現在はコラムを書いたり自然を観察する市民活動等で忙しくされています。そのパワフルかつユニークな語り口は聞く者を幸三ワールドへ引き込み、二度と抜け出すことができないと恐れられているほどです。かつて人気番組「探偵ナイトスクープ」にも出演していたという、とかく地味でマジメ、もの静かで温厚と思われがちなこの分野においては(いい意味で)異色の存在です。
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(写真:石井弥生様のブログ「森の時間」より)

 その谷幸三氏がなんとこの「奈良の糞虫・世界の糞虫」展に来てくださいました!たまたま昼休みのミニコンサートが開催されていたため、展示物が一時的に片隅に撤収されていた時にお越しになったのが私としては残念だったのですが、拙い私の展示パネルを熱心に見てくださり、いろいろな視点からアドバイスをいただくことができました。谷さんは長く先生をしていたので、わからない人にもわかるようにするにはどうしたらいいか、のアプローチが素晴らしく、大変勉強になりました。
 その他にも、「日本列島フン虫記」などで知られる塚本珪一氏と日本山岳会で懇意にしてらっしゃるご婦人やかつて昆虫にハマっていた画家の先生、電動車椅子で熱心に見てくれた若者、キャーキャー言いながら説明を聞いてくれた女学生、はるか昔の昆虫少年(これが一番多い)、ほんとうに多くの方々と楽しく虫のお話しができたことが私にとっての一番の収穫でした。わずか4日間の展示でしたが、多くの経験と気付きが得られた4日間でした。
〔 写真 ←多くの方で会場が賑わっている写真をと思ったのですが、1枚もない。なぜだ? 〕
 最後になりましたが、展示会場を無償で提供してくださった奈良市役所、特にいろいろお手伝いまでしていただいた文化振興課の皆様には心より感謝申し上げます。ありがとうございました。また使わせてくださいね!


今日はここまで。
再見!
 
 

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