むしむしブログ

タグ:糞玉

 一昨日、このブログで予告した通り、ペアのフンコロガシ(スカラベ・サクレ)が7/14に埋めた糞玉を掘り出して割ってみました。7/20に1個目を割った時はハチミツ色の美しい蛹が出てきたので、今回もかなり期待していました。でも、プラケースの外側からは地下室が見えていなかったので、そもそも糞玉は残っているのか?産卵したのか?わからない状態でした。ケースをひっくり返して土を出すと、そこに地下室が現れ、やや大きめの糞玉が見えました。ケースの底の真ん中あたりに地下室を作っていたようです。(写真1枚目)
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 糞玉はしっかり仕上げられており、出っぱりのある西洋梨型つまり産卵されたものでした。(写真2枚目) 周囲には繊維状の細い菌糸みたいなものが絡みついていましたが、特に異常は見られません。1個目の時は黒いヘドロのような薄い土壁一枚になってましたが、今回はなってません。
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 うまく育っていれば蛹がいるはずですから、カッターナイフで慎重に少しずつ切り込みをいれていきます。壁を貫通するとナイフの通りが軽くなるのでわかります。中の虫を傷つけないようにそこからはピンセットで穴を開け、穴を大きくしていきます。中はくりぬいたような空洞が出来ていますが、蛹がいません。空っぽです。よく見ると、幼虫の皮らしきものが残っています。(写真3枚目)
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 産卵、孵化までは順調だったものの、幼虫が少し育った段階で死んでしまったようです。糞玉の中心付近まで食べ進んでいましたが、糞玉の重さはまだ20gもある(写真4枚目)ので、水分の減少等も考慮すると恐らく3分の1も食べてないと思われます。空洞内にはダニの発生はなかったので、今年から実施している熱湯消毒は一定の効果があったと考えられます。この糞玉は大きくてしかもペアが埋めていただけに期待が大きかったのですが・・・本当に残念です。

今日はここまで。
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 7/2に作って埋められた糞玉を49日後の8/20に割ってみると、まだ蛹になったばかりのタイミングでした(写真1枚目)。蛹は特に最近日々変化していて、昨日はこんな感じにかなり茶色くなってきました(写真2枚目)。
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 今回公開糞玉割りに使う7/14に作られた糞玉は、オス・メスペアの手で埋められているので恐らく確実に産卵がされていると考えています。既に57日が経過しているので、卵が順調に育っていれば蛹になっているはずです。ただ、このペアはプラケースの壁沿いに育児室をつくらなかったので、そもそも糞玉があるのかどうかさえも確認できていません。私がドキドキするのは、糞玉が無い可能性があるからかもしれませんね。今日9/9の午後2時を過ぎたあたりで掘り出してみたいと考えていますので、一緒にドキドキしたい方は、この機会をお見逃しなく。

今日はここまで。
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 フンコロガシ(スカラベ・サクレ)は大きな糞の塊から丸く糞玉をくり抜いて、最後に全体を点検してへこんでいるところには糞を貼り付け、出っ張っているところは手で押して形を整えて見事な球形にしてから転がし始めます。糞が適度に軟らかく量が十分にあれば、ビデオの早送りのような素早い動きでテキパキと作業を進め、5分もすれば糞玉作りを終えて転がし始めることもあります。しかし出来栄えには結構個体差があって、メチャクチャしっかり作り込む奴(写真1枚目)もいれば妙にデカい球(写真2枚目)を作る奴もいたりします(比較のために7月に地下から掘り出した仕上げ済み産卵前の糞玉2個を横に置いています)。糞玉の半径が25%長いと体積は約2倍(球の体積=半径の3乗×π)になりますから、2枚目の写真の糞玉なんかは土に埋めた後地下室で2分割すれば2つ卵が産めそうな気がしますが、そんなことはせず、先月8/25にこのブログでお伝えした通り、地下の育児室で親虫がしっかり食べるなどして大きさを調整しているようです。
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 地上にある糞塊から糞玉を切り出す作業は糞に集まる他の生き物との競争ですから、短時間で丸めて早く転がして持ち去らなければなりません。そのため、大きさにばらつきがあったり、形が「美しい球形」とは言えないことも少なくないのは当然だと思います。フンコロガシを1匹だけにして落ち着いて糞玉をつくれる環境を整えてあげた時も、おはぎのような糞玉を転がしてました。これは糞の柔らかさにも関係があるのかもしれません。いずれにしても、最後は地下に埋めて数日のうちにそれなりの大きさの美しい球形に仕上げることに変わりはありません。
 ネット上で見られるフンコロガシの画像は大抵形が整った完全無欠の糞玉を転がしていますが、「映え」を意識して歪な糞玉を転がす画像は意識的にアップしないのかもしれませんね。

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 ならまち糞虫館でアフリカから来たフンコロガシ(スカラベ・サクレ)の飼育を始めてもうすぐ2ヵ月。私の手元には卵を産み付けられて西洋ナシ型に変形した糞玉や蛹にまで成長した糞玉などがあって、毎日糞玉や蛹を見て楽しんでいます。8/22にも既に産卵経験のあるメスが糞塊(奈良公園のシカの糞塊約20個に熱湯をかけてダニを殺し、練り固めたもの)から大きな糞玉をくり抜くように切り出して(写真1枚目)、あちこち転がした末に地面に埋めました。
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 翌日(8/23)地下室を完成させ、いよいよ産卵かと思ったら、なんと糞玉をモグモグ食べているではありませんか!相当な量を食べたらしく、お尻の辺りには糸のような糞が重なり合っていました。(写真2枚目) この個体はメスであることが確認できているので、てっきり卵を産むものだと思っていただけにちょっとガッカリです。
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 今日(8/25)見ると、表面が丁寧にまーるく削り取られたようになっていました(写真3枚目)。もしかしたら糞玉の仕上げ作業をおこなっている最中で、余分な糞を削り取って食べていたのかもしれません。確かに糞塊からくり抜いた糞玉は大きくて、通常の完成した糞玉の倍以上の大きさがありました。今回に限らず、糞塊からくり抜く糞玉はかなり大きかったり形が歪だったりすることも多いのですが、数週間たって掘り出すと小さくて美しい球体か西洋ナシ型に作り変えられています。私は大きな糞玉を地下室で押し固めて小さくすると思ってましたが、幼虫の成長に必要な量を残して親虫が食べていたんですね。まだこの糞玉は産卵されていないので何とも言えませんけど。
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 4年前に飼育した時も含めこれまでに見た30個くらいの地下室はそのほとんどがプラケースや水槽の底に作られていましたし、昆虫写真家 今森光彦氏の『スカラベ』(平凡社 1991年)の生態写真からも30cm以上の深さに埋めると思っていました。しかし今回は地表から10cmほどの深さで、プラケースの底まで5cm以上余裕がありました。これは『ファーブル昆虫記Ⅰ』(集英社 訳:奥本大三郎)p91の「スカラベの母虫がほった巣穴は地下十センチばかりのところにあります。」に一致するので、もしかしたら土の硬さや質、湿り具合などによって変化するのかもしれません。
 200年前に生まれたファーブル先生がフンコロガシに夢中になり、退職後にアルマスで見た光景と同じ光景を、今こうして私が見ているのだと思うと、感慨深いものがあります。フンコロガシの謎と魅力は200年たっても尽きるどころかますます深まるばかり。すごいぞ!フンコロガシ。

今日はここまで。
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 8月下旬、たまたま見つけたゴホンダイコクコガネの3個の糞玉。2、3日毎に覗いていたのですが、一昨日オスが1匹糞玉に丸い穴を開けて出てきていました(写真1枚目)。
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 よく見ると、もう一つの糞玉にも小さな穴が開いています。外に出ようとしているのでしょう。そっと割ってみると、立派なオスがいました(写真2枚目)。
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 既に真っ黒で身体は固くなっているので、羽化した後も糞玉の中にとどまり、身体が固くなってから外に出てくるようです。白い点々はダニではなく、菌類が表面にくっついています。メス親が糞玉から離れず世話をしていましたが、さすがに菌類の侵入までは防げなかったようです。
 3つ目の糞玉も割りました。

今日はここまで。
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