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 ならまち糞虫館に来てくださる方に世界の面白い糞虫の一つとしてよく紹介するのが、このオオキバセンチコガネ(Lethrus属)の仲間(写真1,2枚目)。Lethrus geminatusなど全長20mm程もある大型の種類のキバ(オスの大顎から長く垂れ下がるキバ状のもの。メスにはない)は、歩行の妨げになるほど長い(写真3枚目)のですが、その使い方については全く知りませんでした。
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 なんせ生きているオオキバセンチコガネなんて見たことありませんから。なので、「全くの想像ですが」と前置きして、「センチコガネに近い仲間なので、日本のセンチコガネのようにオスがメスに乗っかって交尾をします(写真4枚目)。その時にメスに逃げられたり、他のオスに押しのけられたりしないように、オスはメスの首筋をこのオオキバでガッチリ挟み込んで、絶対に離れないようにしているのではないか。」などとお話ししてたんですが・・・。
 糞虫の考えていることまでわかるのではないかと思うほど糞虫の生態に詳しい方のフェイスブックに、ブタペスト在住の日本人の方のブログ
https://ameblo.jp/rosalia-coelestes/entry-12371877829.html
が紹介されており、そこには上を向いて取っ組み合っている2匹のオオキバセンチコガネの姿が。
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 そうなんです。コイツは戦う時に中脚と後脚の4本で体を支えて半立ちの態勢をとり、さらに頭を上に向けるのです。すると垂れ下がったオオキバが相手の方を向くので、武器として使えるというわけです。ちなみにコイツの目は上下に分かれたようになっており、頭を上に向けると後ろと前がよく見えるので、正面の敵と睨み合ってしっかり戦うことが出来そうです。

 この日本人の方は、昨年4月26日にブダペスト郊外の草原でこの様子を観察されたようです。貴重で興味深い観察記録ですよねー。すばらしい!さっそく、今週末からならまち糞虫館での説明にこのネタを取り入れたいと思います。でもねー、私の想像が誤りであるかどうかは、まだわかりませんよね?だって、交尾の様子を観察したら、もしかしたらこの大きなキバでメスを挟み込むかもしれませんから。
  
今日はここまで。
また明日!